【SAP基礎知識】SAP導入までの大まかな流れ

はじめに

SAPってどのように導入するの?SAP導入にはどういうことを検討する必要があるの?を解説します。

「そもそもSAPってなに?」について詳しく解説した記事は以下でご覧ください。

SAPとは

SAPとはSAP社が開発したERPパッケージシステムの一種です。ERPとは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」という意味で、企業の基幹業務(購買、在庫、管理、生産などのビジネスする上根幹となる業務)で必要となる情報を一元的に管理することにより、計画的かつ効率的に良い経営を目指そうという考え方です。

つまりSAP ERPパッケージは、企業が計画的かつ効率的に経営するために、基幹業務の情報やシステムを一元管理したサポートシステムになります。

導入手順

SAP ERPパッケージ(以下、「SAP」)には、生産管理/販売管理/在庫管理のような個々のプロセスを処理する標準モジュールが搭載されており、導入する会社は、基幹業務に合わせて標準モジュールの導入やカスタマイズをすることで、会社全体の最適化を目指します。

以下では、どのような流れでSAPを導入するのかを解説します。

❶業務プロセス要件の作成

まずSAPを機関業務に合わせて標準モジュールの導入やカスタマイズをするために、会社の基幹業務プロセスを洗い出し、会社全体構造を見渡せるようします。

製造メーカーの基幹業務プロセスであれば、以下のように洗い出すことができます。
(実際はもっと詳細化してプロセスの洗い出しますので、こんな簡単な感じな洗い出しにはなりませんが、ご容赦!)

例;製造メーカーの基幹業務プロセス

例:製造メーカーの基幹業務プロセス

  1. 潜在顧客除法からマーケティング情報を取得
  2. マーケティング情報から生産計画の立案
  3. 必要な資材・人材の調達
  4. 商品の製造
  5. 商品の販売
  6. 在庫の管理
  7. 販売後の会計処理

❷使用する標準モジュールの洗い出し

「❶業務プロセス要件の作成」に対し、どの標準モジュールを使用するかを洗い出しを行います。

代表的な標準モジュールは、以下のようなものがあります。
(引用:よくわかる最新SAPの導入と運用 村上 均 著)

  • SD 販売管理:見積、受注、出荷、請求に関わるプロセス用
  • CS 得意先サービス:保守サービスなどの点検、修理、請求に関わるプロセス用
  • MM 購買・在庫管理:商品や原材料の発注、入庫、請求書照合に関わるプロセス用
  • PP 生産管理:製品の生産計画及び製造に関わるプロセス用
  • QM 品質管理:出来上がった製品の品質管理に関わるプロセス用

❸ギャップ機能の対応案の検討

ギャップ機能とは、SAPの標準機能が自社の業務のやる方にフィットしていない機能のことであり、

必要に応じて対応する必要があります。対応方法は以下になります。

  • そもそもの会社業務のやり方を検討する。
  • SAP標準機能に無い機能を追加をする。
  • SAP標準機能の一部を処理を変更し、自社の業務にフィットするようにカスタマイズする。

❹ITインフラの選定・作成

ITインフラはオンプレミス(自社サーバー)に用意するか、クラウドサービスを利用するか、はたまたオンプレミス・クラウドの両者とも利用するハイブリッドクラウドにするか選定し、開発・検証・本番環境を構築します。

トレンドとしては、Amazon社のAWSやMicrosoft社のAzureなどのサブリクプション系のクラウドを利用することが多いようです。

❺システム開発

「❸ギャップ機能の対応案の検討」で決定した機能追加や一部機能修正を実施します。

❻テスト

「❺システム開発」で開発したシステムが正しく動作するかをテストします。

❼リリース

「❻テスト」で正しく動作することを確認し、品質の担保が取れたら本番環境へリリースし、その後本番運用開始へと進んでいきます。

まとめ

  • SAP導入準備として、会社の基幹業務プロセスを洗い出す。
  • 洗い出した基幹業務プロセスにフィットするSAP標準機能を洗い出し、ギャップが生じる場合は、機能追加、一部機能修正、または業務プロセスをSAPの標準機能に合わせるやり方にする。
  • ITインフラは、オンプレミス(自社サーバー)の他にクラウドもしくは、両者を活用するハイブリットクラウドがある。

Follow me!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です