【SAP】FIの代表的な組織ユニット構成について解説

はじめに

SAP FIモジュール(財務会計)のクライアントコードや会社コード、それに紐づく利益センタなどの組織ユニットについて解説する記事です。SAP FIの概要理解やS/4HANAの認定試験対策にお役立てください。

そもそも「SAPとはなにか?」については以下の記事で解説しています。

その他のSAP S/4HANA FI認定試験の役立つ記事は以下にまとめておりますので、ご活用ください!

そもそもFI(財務会計)とは

FIとは会社法で義務付けられている、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を作成するためのモジュールです。

財務諸表を作成するためにFIモジュールでは以下の大きく以下を実施します。

  • 伝票、仕訳帳の作成・管理
  • 総勘定元長への転記・管理
  • 財務諸表の作成

以降では、FIモジュールを実行するための大前提となる「組織ユニット」について解説します。

①クライアントコード

SAP S/4 HANAの最上位レベルの情報にあたるコードです。
クライアントコードはグループ会社単位もしくはグループ会社の統括会社にあたります。

具体的なイメージとしては、みずほを例にすれば、
みずほファイナンシャルグループ がクライアントコードレベルにあたります。

クライアントコードで設定したクライアントレベルの情報は、その下位に位置する組織ユニット全てに適応されため、他レベル単位で情報を割り当てる手間を省くことができます。

②会社コード

独立した法人などの法的会計管理を行う単位で設定するコードです。(要するに会社単位です。)

FIモジュール目的である財務諸表の作成は、ここで設定する会社コード単位で作成されます。

みずほファイナンシャルグループを例にすれば、
みずほ銀行、みずほ証券が独立した法人であり、会社コード単位となります。
会社法では、ここでいう みずほ銀行、みずほ証券がそれぞれ財務諸表を作成することを義務付けています。

会社コードレベルでは、会社名や住所といった基本情報や、使用する通過、言語を設定することができます。

これにより、国ごとの法律に従った財務諸表を作成することができます。

③会社コード以外の組織ユニット

FIでは会社コード以外の組織ユニットを設定することができます。

会社コード以外の組織ユニットを設定することで、

  • グループ会社単位や事業領域単位での財務諸表の作成
  • 後続のCOモジュール(管理会計)への金額の受け渡し処理

をすることができます。

(FIモジュールとしては、会社単位の財務諸表を作成することがゴールなので、組織ユニットの設定はあくまでオプションとしての位置付けくらいに思ってください。)

以下、代表的な組織ユニットをご紹介します。

・利益センタ

会社の売上が発生する単位で管理することができるユニットです。具体的には、商品単位、商品の種類単位での財務諸表の作成を可能にします。

・原価センタ

会社の経費が発生する単位で管理することができるユニットです。具体的には、購買品目、水道光熱費、賃料といった単位での財務諸表の作成を可能にします。

・会社

会社IDで管理するユニットで、複数の会社コードに会社IDを割り当てることによって、グイープ会社単位での財務諸表の作成を可能にします。

・機能領域

会社の標準的な機能単位(販売、生産、マーケティング、管理など)単位での財務諸表の作成を可能にします。

・事業領域

事業部単位での財務諸表の作成を可能にするユニットです。例えば、会社内の営業部単位での管理だけでなく、グループ会社内の営業部単位での管理を可能にします。

まとめ

  • クライアントコードは最上位レベルにあたる情報群で、ここで設定した情報は、下位の会社コードをはじめとした組織ユニットすべてに適応される。
  • 会社コードは独立した法人に割り当てるコードで、FIではこの単位で財務諸表を作成します。
  • 会社コード以外のも組織ユニットが存在し、あらゆる視点や粒度の財務諸表の作成を可能とします。(FIとしては必須の設定では無く、後続のCOの設定です。)

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