はじめに
SAP S/4HANAのFIモジュールにおける統制勘定について、備忘録的に記します。SAP認定コンサルタント資格を取得する上で役立つ知識ですの是非ご参考ください。
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Q&A
質問:
統制勘定とはなんでしょうか?どのような役割を担っているのでしょうか?
回答:
統制勘定とは、補助元帳に転記されると同時に総勘定元帳に転記される勘定です。
統制勘定を使用することで、補助元帳と総勘定元帳の整合性を一致させることができます。
解説
補助元帳と総勘定元帳とは?
・総勘定元長
総勘定元帳は、クライアントレベルの全ての取引を網羅的に記録している元帳です。
総勘定元帳に記帳されるのは売掛金・買掛金の総額です。そのため、どこの会社からの売掛金・買掛金といった具体的な情報は、総勘定元帳からはわかりません。
・補助元長
補助元長は、部門や部署単位で使用する元帳です。イメージとしては総勘定元帳を部署単位に区切って詳細化したものです。
そのため補助元長では取引先単位で売掛金・買掛金を記帳します。
なぜ統制勘定ができたか
業務では生じた取引を補助元帳に記帳し、それを売掛金・買掛金の合計を計算し総勘定元帳に記帳します。
そのため、補助元長に記帳されるたびに総勘定元帳にも記帳し、整合性を保つ必要がありました。
この面倒な作業を自動化するために編み出されたのが、統制勘定です。
統制勘定を設定することで、補助元長に記帳すると同時に総勘定元長に記帳されるようになります。
統制勘定は会社コードレベルで設定する
統制勘定は、補助元帳の取引先レベルで記帳された金額を、総勘定元帳では売掛金・買掛金の合計金額として記帳します。
システム的なイメージとしては、取引先とG/L勘定コードを統制勘定で紐づけになります。
統制勘定は、取引先のマスタ(仕入先であれば仕入先マスタ、得意先であれば得意先マスタ)と、G/L勘定マスタのそれぞれの会社コードレベルに設定することで、紐付けができるようになります。
テーブル相関図
取引先マスタ(仕入先マスタ、得意先マスタ)とG/L勘定マスタとの紐付きは、テーブルで考えるとわかりやすいです。
例えば、会社コード:A001で仕入先:VENDOR1と取引があった時、G/L勘定コード:D000001(買掛金)で総勘定元帳に記帳される設定は、テーブルで見ると以下のようになる。
LFB1(仕入先):
仕入先コード | 会社コード | 統制勘定 |
VENDOR1 | A0001 | B00001 |
SKB1(勘定コードマスタ(会社コード)):
会社コード | G/L勘定コード | 統制勘定 |
A0001 | D000001 | B00001 |
まとめ
Q:統制勘定とはなんでしょうか?どのような役割を担っているのでしょうか?
A:統制勘定は補助元帳と総勘定元帳の整合性を保つもので、取引先マスタ(仕入先、得意先)とG/L勘定コードマスタの会社コードレベルに設定することで、補助元帳を記帳すると同時に総勘定元帳に記帳されます。
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