【SAP SD】得意先預託在庫(VMI:Vendor Management Inventory)とは?【SAP備忘録】

結論:得意先預託在庫とは?

自社の商品は他社に渡っているが資産上はまだ自社にある状態のことを、得意先預託在庫といいます。

イメージとしては、友達にゲームを貸している状態です。(ゲームは友達の家だが、ゲーム自体は自分のもの)

この得意先預託在庫のことをVMI(Vendor Management Investory)と呼ばれもし、

得意先に自社の在庫を管理してもらい、得意先が使用した分だけ支払ってもらう方法です。

具体例:得意先預託在庫の例

①販売会社の例(B to C)

家電量販店にディスプレイとして置いてある新製品(新型スマホなど)が得意先預託在庫にあたります。

家電量販店に販売促進をしてもらうために、自社製品を自社の資産として家電量販店に貸し出します。

その後、ディスプレイとして飾っていた製品を特価で販売してもらえれば、資産が家電量販店に移動し、その分の製品代が自社に支払われる仕組みになっています。

②製造会社の場合(B to B)

自社製品を得意先預託在庫として得意先工場にあらかじめ置いておくことで、必要に応じてすぐ供給をすることができます。

例えば、海外に工場を持つ得意先にから受注があった際、自社から海外の得意先工場まで出荷〜納品にかなりの時間がかかります。ですが、得意先預託品を得意先工場にあらかじめ置いておけば、出荷〜納品の時間を省くことができます。

SAPにおける得意先預託在庫

販売フロー

得意先預託在庫の販売フローは以下の4つです。

・預託品引渡

伝票タイプ:KB
移動タイプ:631(利用可能在庫の転送)

自社商品の在庫を得意先に引き渡します。(資産は自社のまま)

・預託品出庫

伝票タイプ:KE
移動タイプ:633(得意先預託品の払い出し)

得意先に在庫がある自社商品の資産を、得意先に移す。

・預託品返品

伝票タイプ:KR
移動タイプ:634(得意先預託品の払い出し取消)

得意先の資産に移った得意先預託品を自社に戻す。

・預託品引取

伝票タイプ:KA
移動タイプ:632(得意先預託品の返品)

得意先にある自社商品の在庫を、自社に戻す。

特殊在庫区分

特殊在庫区分:W(得意先預託在庫)

SAPでは得意先預託品は特殊在庫品として管理します。

在庫金額

得意先預託品の在庫金額は、Cust. Consignment(顧客委託)で保持されます。
また、得意先預託品は得意先コード単位で管理されています。

まとめ

  • 得意先預託品(VMI)とは、自社の資産だが、物自体は得意先にある状態のこと。
  • B to Cであれば販売促進、B to Bであれば受注〜納品の省略を可能にする。
  • SAPではKB、KE、KR、KAの4つの販売フローはがある。
  • SAPでは特殊在庫区分:Wとして扱われる。

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