【SAP FI】会計伝票の構成:伝票ヘッダ・伝票明細、伝票タイプ・転記キーについて解説【コンサル試験対策】

はじめに

SAP S/4HANAのFIモジュールにおける会計伝票の構成:伝票ヘッダ・伝票明細と、それらを制御する伝票タイプ・転記キーについて、備忘録的に記します。

SAP認定コンサルタント資格を取得する上で役立つ知識ですの是非ご参考ください。

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Q&A

質問:

SAP FIでは会計伝票はどのように登録されますか。また伝票の制御はどのようにされるのでしょうか?

回答:

会計伝票は、伝票ヘッダと伝票明細の2つで構成されます。

また制御は伝票ヘッダは伝票タイプ、伝票明細には転記キーが適応されます。

解説

会計伝票の構成について

会計伝票は、1つの伝票対し複数の明細を持ちます。明細は少なくとも借方/貸方があるので2件以上になります。

その明細の共通情報を伝票ヘッダ、各明細単位の情報を伝票明細が持つというイメージです。

伝票ヘッダとは

前述したとおり、明細の共通情報を持つのが伝票ヘッダです。

まず伝票ヘッダは以下3つの項目を持ち、一意に識別されます。

  • 伝票番号
  • 会社コード
  • 会計年度

伝票ヘッダが持つ明細の共通情報となる項目は以下です。

  • 伝票タイプ
  • 伝票日付
  • 転記日付
  • 通貨
  • 参照伝票番号、など

伝票明細とは

1つの伝票にあたり借方/貸方の最低2件以上の詳細な明細情報を持つのが、伝票明細です。

伝票明細は伝票ヘッダの3つに加え、明細番号で一意に識別されます。

  • 伝票番号
  • 会社コード
  • 会計年度
  • 明細番号

伝票明細は以下の情報を持ちます。

  • 借方/貸方
  • 伝票通貨額
  • 伝票コード
  • 原価センタ、など

会計伝票の制御

伝票ヘッダと伝票明細は、それぞれ伝票タイプと転記キーで制御します。

これらはクライアントレベルで設定されます。

伝票タイプとは

・伝票番号の番号範囲

選んだ伝票タイプ(仕入先/得意先)の番号範囲を指定されます。

・反対仕訳伝票

反対仕訳伝票タイプ項目で指定した伝票タイプは、反対仕訳取引の実行時で使用されます。

指定しない場合は、転記した伝票タイプで反対仕訳が行われます。

・転記可能な勘定タイプ

転記する勘定のタイプを制御します。以下はSAP標準の勘定タイプです。

  • A:資産
  • K:得意先
  • D:仕入先
  • M:品目
  • S:総勘定元帳

・伝票入力時の必須項目

伝票ヘッダで持つ情報に対し、必須項目かどうかを設定できる。

  • 参照番号
  • 伝票ヘッダテキスト

転記キーとは

・転記可能な勘定タイプの制御

伝票タイプで指定した転記可能な勘定タイプから、伝票明細で使用する勘定タイプを制御する。

・借方/貸方の制御

借方/貸方のどちらに転記するかを制御する。

・項目ステータスの制御

伝票明細項目の項目ステータスの制御をします。伝票明細の項目は転記キーに加え、項目ステータスグループで制御されます。

テーブル相関図

1つの伝票(1234567890)に対し貸方の明細(001)と借方の明細(002)の2件が登録された例をテーブルで表現しました。

・BKPF(会計伝票ヘッダ)

伝票は、会社コード(A001)+会計伝票番号(1234567890)+会計年度(2022)の3項目が複合キーとして、一意に識別されます。

会社コード会計伝票番号会計年度伝票日付転記日付通貨
A001123456789020222022010120220101JPY

・BSEG(会計伝票明細)

明細は、会社コード(A001)+会計伝票番号(1234567890)+会計年度(2022)+明細(001,002)で一意に識別されます。

貸方の通貨額と借方の通貨額は同じでないといけません。

会社コード会計伝票番号会計年度明細借方/貸方伝票通貨額G/L勘定コード
A00112345678902022001S100010000000
A00112345678902022002H100080000000

まとめ

Q:SAP FIでは会計伝票はどのように登録されますか。また伝票の制御はどのようにされるのでしょうか?

A:会計伝票は、伝票ヘッダと伝票明細の2つで構成され、それぞれ伝票タイプと転記キーで制御されます。

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