はじめに
SAP S/4HANAのFIモジュールにおけるG/L勘定グループについて、備忘録的に記します。SAP認定コンサルタント資格を取得する上で役立つ知識ですの是非ご参考ください。
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Q&A
質問:
G/L勘定グループとはなんでしょうか?またG/L勘定グループはどのような構成で、どのような設定ができるのでしょうか?
回答:
G/L勘定グループとは、G/L勘定コードを体系的にカテゴライズし制御できるようにする設定です。
現金勘定、資産勘定、債務勘定などにカテゴライズできます。カテゴライズすることで以下2つの役割を担います。
- G/L勘定コードの番号範囲を指定
- 会社コードレベルの項目ステータスの制御
解説
G/L勘定コードの番号範囲を指定とは?
G/L勘定グループごとに番号範囲を設定することで、番号を体系化して管理することができます。
具体的には、資産勘定の番号範囲が「A0000〜A99999」と設定したとき、番号Aで始まる勘定コードが資産勘定である、と設定できます。
例えば、土地、建物、車というG/L勘定コードがあったとき、これらを全て資産勘定に割り当てると以下のようになります。
- A00001:土地
- A00002:建物
- A00003:車
これらの設定は、勘定コード表レベルで設定されます。
会社コードレベルの項目ステータスの制御
会社コードレベルのG/L勘定コードには以下の項目があります。
- 勘定通貨
- 統制勘定
- ソートキー
G/L勘定グループでは、これらの入力項目のステータスを以下4つに制御することができます。
- 非表示:使用しない項目
- 表示のみ:値を変更してはならない項目
- 必須入力:値の入力が必須の項目
- 任意入力:値の入力が任意の項目
これらを制御することにより、G/L勘定マスタ(このG/L勘定コードのマスタデータ)を設定する際に、誤ったマスタ情報を登録されないようにできます。
具体的には、ある勘定コードが日本円しか使用しない想定の場合、勘定通貨:JPYで表示のみ(値を変更してはならない項目)のステータスにする。
ある勘定コードが統制勘定を使用しない想定の場合、非表示のステータスにする。
項目ステータスを制御するのはG/L勘定グループだけではない
ややこしいのですが、項目ステータスを制御するのはG/L勘定グループの他にも「処理別」で項目ステータスが制御されます。
処理別というのは、G/L勘定コードの登録/変更/照会の処理を指しており、この処理ごとに項目ステータスを設定することができます。
もし、G/L勘定グループの項目ステータスと処理別の項目ステータスが異なる場合は、以下の制御が優先されます。
非表示>表示のみ>必須入力>任意入力
テーブル相関図
G/L勘定グループは、勘定コード表レベルで設定されるためSKA1テーブルで情報が保持されます。
例として、G/L勘定グループ:0は統制勘定・税カテゴリを必須入力、1はどちらも非表示のG/L勘定マスタを登録した場合、テーブル内のデータは以下のようになります。
SKA1(G/L勘定マスタ): →勘定コード表レベル
勘定コード表 | G/L勘定コード | G/L勘定グループ |
YYYY | 000001 | 0 |
YYYY | 000002 | 1 |
SKB1(勘定コードマスタ(会社コード)): →会社コードレベル
会社コード | G/L勘定コード | 統制勘定 | 税カテゴリ |
A001 | 000001 | D00001 | JPY |
A001 | 000002 |
G/L勘定コード:000001は必須入力のため、統制勘定・税カテゴリが入力されており、000002は入力されていない状態になります。
まとめ
Q:G/L勘定グループとはなんでしょうか?またG/L勘定グループはどのような構成で、どのような設定ができるのでしょうか?
A:G/L勘定コードを勘定ごとに体系化しカテゴライズでき、グループ内のG/L勘定コードの番号範囲を定めて体系化して管理し、会社コードレベルの項目ステータスを制御して誤った入力がされないようにします。
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